佐藤法雪とは
- 法雪 佐藤
- 2025年12月8日
- 読了時間: 11分
更新日:2025年12月30日
猫人形作家として国内外で広く芸術活動を展開し、猫人形制作の特殊技法を書籍に残し後進の育成にも尽力している
佐藤法雪:猫の魂の表現者 ― 芸術、病の試練、猫芸術の探究者
1973年、千葉県に生まれた佐藤法雪(さとう・ほうせつ)は、様々な素材を使用してリアルな猫人形を作り上げる作家として活動し、国内外で独自の地位を築いている
きっかけは意外にも「猫嫌い」だった母親を驚かせようとした2004年頃の遊び心から。
粘土、木彫、フェイクファー、モヘア、羊毛など様々な素材とドール技法を組み合わせて猫人形制作を行う。しかし自身の作った猫人形のクオリティに満足する事なく30年以上の歳月を費やして独自の技法を磨き続けている。猫の「自由で気ままな生命感」「個別の個性」再現する事優先して作品群を生み出し続けている。
猫の毛並みの微妙な陰影、瞳の輝き、表情の微調整――これらが観る者の心を掴み、佐藤法雪を単なるハンドメイド作家から世界的に活躍する芸術家へ昇華させた。
2025年活動の拠点は、東京都足立区綾瀬にある「猫美術研究所」(通称:猫美)と「日本羊毛アート学園」(通称:NYA学園)。前者は創作集団・教室として、後者は世界初の「猫科」(リアル猫人形制作専門科目)を設置した教育機関として機能する。
羊毛フェルトにこだわらず、多様な素材を活用し、猫の生命感の表現を追求。
平泉美術協会正会員でもある佐藤法雪は、国立新美術館での出展を継続して展開し、毎年新作を発表してアグレッシブに活動している。同時に後進たちの作品の発表の場を提供している。
■佐藤法雪と書籍
書籍は初心者向けの基本から上級者の応用までをカバーし、佐藤法雪の30年超の経験を凝縮。日本羊毛アート学園の教科書としても活用され、国内外で翻訳版が発行されている。
以下は、佐藤法雪が出版した主な7冊の書籍一覧(出版年順)。
各書は、豊富な写真、ステップバイステップの解説を特徴とし、羊毛フェルトの魅力を広めている。
書籍タイトル 出版年・出版社 詳細・内容概要
・羊毛フェルトで作るリアル猫人形2009年 / TWJ books
ページ数: 約120頁、価格: 1,800円(税抜)。
・羊毛フェルトでつくる ウチのコそっくりかわいい子猫2010年 / 日東書院本社
愛猫をモデルにした子猫人形制作。
写真指定のカスタム術を詳述し、台湾・中国語版も発行。初心者が「うちの子」を再現する喜び味わえると大好評。ページ数: 約100頁、価格: 1,600円(税抜)。
・羊毛フェルトで作る もっと! リアル猫人形2012年 / TWJ books
前作の応用編。上級者向け
ページ数: 約140頁、価格: 1,900円(税抜)。
・羊毛フェルトで作るリアル犬人形2013年 / TWJ books
柴犬のリアル表現を指南。ボディ構造のワイヤー固定法を詳解。電子書籍版もあり。ページ数: 約130頁、価格: 1,800円(税抜)。
・羊毛フェルトで作る小さなどうぶつたち2014年 / TWJ books
手のひらサイズの小型動物(ウサギ、リス、モモンガなど)。
基礎から混毛技法まで、楽しく始められる入門書。ページ数: 約80頁、価格: 1,300円(税抜)。
・ウチのコそっくりボンボン猫人形2016年 / 日東書院本社
ふわふわボンボンスタイルの猫人形。かわいらしさを重視し、初心者向けに簡易技法を提案。ページ数: 約110頁、価格: 1,500円(税抜)。
・羊毛フェルトで作る うちの子そっくりかわいいワンコ
2017年 / TWJ books
犬版の「うちの子」シリーズ。
ロングコートチワワやミニチュアダックスをモデルに、毛並みのボリューム表現を特化。ページ数: 約120頁、価格: 1,600円(税抜)。
これらの書籍は、Amazonや楽天で入手可能で、読書メーターでの評価平均4.0以上。
翻訳版(例: 中国語『手作羊毛毡猫咪:植毛技术大公开』、2019年)も海外ファンに支持され、佐藤法雪の技法をグローバルに普及させている。
■佐藤法雪と教育活動
日本羊毛アート学園は、初心者から上級者までを対象に、佐藤の著書を教科書とした個別カリキュラムを提供。
科目は「初等科」(猫作りの基本、小さめの猫人形制作がメイン)、「本科」(等身大猫人形制作)、「認定講師育成科」(指導者養成)と多岐にわたり、定員5~8名の少人数制で徹底指導。既存生徒向けにはオンラインレッスン(Zoom)対応も充実している
2000年代後半から本格化に外部のカルチャーセンターとの提携で東京を中心に複数の教室展開を図りました。月1回のペースで猫・犬の人形制作をテーマに、楽しく実践的な講座を提供。主な開催場所は以下の通りで、地元猫好き層に支持され、グリーフケア(ペットロス支援)要素も加味した内容が特徴でした。
教室名・場所
読売カルチャーセンター、北千住、柏、恵比寿、自由が丘
朝日カルチャー新宿
NHK文化センター、横浜ランドマーク教室、さいたまアリーナ教室、町田教室
東急be、二子玉川教室
サンケイリビングカルチャー、吉祥寺、あざみ野、大宮、柏、
神保町R08サロン教室
これらの教室は、佐藤法雪の「未完成を放置せず、1作品を完成させる完成主義」を体現し、生徒の笑顔と達成感を文化的な共有体験に変えました。家庭向け。
2020年足立区綾瀬に引っ越し住居兼アトリエを構える。
しかし1月、佐藤法雪は脳幹出血を発症。緊急入院となり手指麻痺の後遺症などのリハビリを余儀なくされました。コロナ禍の自粛休校と重なり、教室は一時全休講に追い込まれました。2020年以降のコロナ禍ではCAMPFIREでクラウドファンディングを行い約200万円超の支援を集め綾瀬のアトリエ教室の再開を果たした。
2020年の脳幹出血という重い病気を経て、活動形態は変革を遂げたが、その情熱は今も衰えず、猫カルチャー猫芸術の旗手として輝きを増している。
2022年眼底出血、視野欠損を発症、これを機に、病気の影響と体力管理を理由に外部カルチャー教室を全閉鎖。現在は自宅横のアトリエ(綾瀬教室)のみで少人数・オンライン中心にシフト。(不定期に横浜でも有志を集めた教室も開催している)
2022年以降、ここ数年で教室数を減らした分、作家個人としての制作時間が確保され、企業案件、マスコミ出演、エンタメ活動が急増。オーダー受付も本格化し、グリーフケアの側面を強化しています。
■綾瀬移転以降のメディア・エンタメ露出
2020年11月12日 NHK BS「ニッポンぶらり鉄道旅」 東京のスペシャリスト
2021年5月20日 テレ朝「じゅん散歩」、
2021年9月5日 日テレ「行列のできる法律相談所」、
2022年11月19日 テレ東「出没!アド街ック天国」
2024年5月 TBS「モヤモヤさまぁ~ず2」
2024年2月24日 NHK Eテレ「5分でわかる理科スペシャル ~りかのワンダーランド~」
2025年10月6日 BS日テレ「ドランク塚地のふらっと立ち食いそば」。
など、綾瀬移転前のメディアを含めると累計20本以上の出演。
■佐藤法雪と映画映像動画メディア
2016年『世界から猫が消えたなら』にリアル猫ヘッド2体提供する
2016ドイツ映画『フクシマ モナムール』(ベルリン国際映画祭受賞作)では自らもリアル猫ヘッドを被って映画の導入部分にアクターとして登場。ドリス・デリエ監督の映画『フクシマ、モナムール』は、第66回ベルリン国際映画祭(2016年)で、主に以下の2つの賞を受賞しています。
ハイナー・カーロウ賞 (Heiner Carow Prize)
国際アートシアター連盟賞 (CICAE Award / International Art Theater Confederation Prize)
また同監督のフクシマモナムールの次作にあたる「命みじかし、恋せよ乙女」にもリアル猫ヘッドを被って導入部に登場しています。
2016年Gypsy & The Cat (ジプシー&キャッツ):オーストラリア出身のエレクトロポップの音楽ユニット。コラボ楽曲「I Just Wanna Be Somebody Else」アルバムジャケット、ミュージックビデオ内でリアル猫ヘッドがメインキャラクターとして使用される
2018年Chasing Jonah Feel So High
Chasing Jonah (チェイシング・ジョナ)は、フロリダを拠点とするインディー/オルタナティブ・アーティスト
楽曲Feel So Highのmvとアルバムジャケットで使用される
2018年 時代劇『名奉行!遠山の金四郎』(2018年、松岡昌宏主演)では、歌川国芳の猫絵シーンで猫人形が複数回使用され、猫屋敷の象徴として視覚効果を発揮した。
■イベント・美術展・コラボ:
2022年 原宿MILK
原宿にある日本のウィメンズ向けファッションブランド MILK の「MILKのクリスマスパーティー」(2022年頃、Meowee X'mas party)にリアル猫ヘッド提供
日産自動車。
2015年からの「#猫バンバン」キャンペーン(猫事故防止啓発)で動画にリアル猫人形提供
2025年の「3メートルの猫」は短編ドラマ『NIGHT OF AURA』第三夜の中に出てくる3メートルの猫を立体化させ銀座日産クロッシングギャラリー内に展示
ふるナビ。
2021年ふるさと納税サイト「ふるなび」CM(2021年、貴乃花光司出演)にスコティッシュフィールドの子猫の人形を提供
2016年 韓国K-PopのLOONA(ヒョンジン)のMV「Around You」にリアル猫ヘッド提供
2021年 雑誌「通販生活」夏号特集
2019年 イエローハットのウェブCM 猫の安全を守るための猫専用の交通安全動画でリアル猫ヘッドが登場し、夕方夜間の野良猫の急な道路への飛び出しに注意喚起をする動画が作られ猫好きドライバーをターゲットにしたプロモーションを盛り上げ、ユーモラスな猫の表情が視聴者の共感を呼んだ。
2016年 花王のキュキュットCLEAR泡スプレーウェブCM(2016年)では、DJみそしるとMCごはんが出演する動画にリアル猫ヘッドを提供。
2010年代(平成の招き猫100人展、2010年代)へ複数回出品。野良猫をモデルにした羊毛フェルト人形が「個別の生命観」を表現し、好評を呼んだ。
2012年の第13回では「立上がれ!にゃっぽん!」が大賞受賞。
東日本大震災の復興を祈る力強い猫像として、全国巡回展で象徴的作品となった。以降、派生シリーズ「頑張れ女子にゃっぽん」(女性猫のエンパワーメント表現)、「頑張れ男子にゃっぽん」(逞しい男性猫のバリエーション)を展開し、多様なジェンダー視点でバリエーションを広げている
ブライス
代官山Junie Moon(ジュニームーン)にてプリティーブライス展(2010年代)で、2センチ台のブライス人形の膝丈ほどのミニチュア猫人形を制作。ブライスドールの世界観に溶け込む繊細な羊毛フェルト猫が、ドールミニチュアファンから賞賛される
保護猫譲渡会、並びに動物愛護イベント関連
千代田猫祭り(ちよだ猫まつり、2016年~2019年頃)へ参加。リアル猫ヘッドアートプロジェクトで、猫の譲渡会を盛り上げた。猫ヘッドをかぶって写真撮影を楽しむコーナーは行列必至の人気で、ボランティアが撮影補助。
2016年の開会式では、佐藤法雪本人が千代田区長とテープカットを行い、「猫の命を大切に」というメッセージを象徴。譲渡率向上に寄与し、以降も猫保護活動の定番イベントとなった。
2016年3月13日 かながわ動物愛護フェア リアル猫ヘッドアートプロジェクト開催
2016年8月26日・27日(『アニマル・ウェルフェア サミット2016』
主催 一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル(滝川クリステルさんが代表理事)
開催場所 東京大学(本郷キャンパス 福武ホール、弥生講堂アネックスなど)
佐藤法雪と海外展開
猫の魂を世界へ海外は書籍翻訳と輸出が基盤。中国語版(2019年)も香港・台湾で流通。
台湾では『羊毛フェルトでつくる ウチのコそっくりかわいい子猫』(2015年台湾版)が猫カフェ文化と親和し、
2023年台湾のアートイベント
2023 台北白晝之夜(ニュイ・ブランシュ/白夜祭)開催日2023年10月7日(土)〜8日(日)(午後6時~翌日午前6時)開催場所台北市内の繁華街など企画名「貓市長」(猫市長)目的リアル猫ヘッドを被ったパフォーマーが**市長室を「占領」し、一時的に「猫市長」に就任。オンラインで「就任演説」**を行うパフォーマンスアートを実施することで、人々に驚きとユーモアを提供し、アートと公的な場所の境界を曖昧にする試み。リアル猫ヘッド日本の猫人形作家、佐藤法雪さんが手掛けた作品が登場しました。この作品は「毛容容 (マオ・ロンロン)」という名前で呼ばれました。台北市長と猫ヘッド記事によると、この企画は台北市政府文化局が「今年の白夜祭で最もユニークなパフォーマンスアートになる」と紹介しており、「猫市長」に「就任」したパフォーマー(または企画の演出として、市長が実際に被ったシーン)の姿が大きく取り上げられました。現職の台北市長が公的な場所でユーモラスなアート作品を被るというパフォーマンスは、大きな話題を呼び、アートと政治、社会との関わりについて考えるきっかけを提供しました
2025年はチェコ共和国へ等身大マヌルネコ「ナル&テル」(4月輸出、クトナー・ホラ聖バルバラ教会前写真が話題)。
総括 猫カルチャーの継承者佐藤法雪の30年超のキャリアは、猫の「生命感」を芸術に昇華させた革新性に満ちている。7冊の書籍を通じて技法を公開したことで、創作の民主化を実現し、数万人のハンドメイド愛好家を育て上げた。教育、メディア、海外展開まで一貫するのは、「猫美」の精神――猫通じて猫の自由奔放な魂を共有し、次世代に継承する情熱だ。2020年の脳幹出血という試練は、外部カルチャー教室の全閉鎖とアトリエ中心への転換を促したが、ここ数年で教室数を減らした分、作家個人としての制作時間が確保され、企業案件やエンタメ活動の深化を可能にした。2025年の銀座の猫が示すように、佐藤法の影響は日本を超え、世界の猫愛好家に広がっている。ゆるキャラの全盛時代に真逆の「リアルさ」で差別化し、SNSバズや教室を通じて猫愛を文化遺産化。病後の再生は、佐藤法雪の強靭さを象徴し、猫の自由な魂を追い求める旅をさらに豊かに彩るだろう。猫好きの皆さん、ぜひ綾瀬のアトリエを訪れ、羊毛の温もりに触れてみてほしい。問い合わせはrealcathead@gmail.comへ。猫美術の研究はまだまだ続く。(参考:佐藤法雪公式Twitter @freecatdoll
コメント